Paris Art Scopeについて

《Paris Art Scope》は、フランス・パリを拠点に活動するライター、杉浦岳史がお届けしているオウンド・メディアです。

パリについての情報は、日本でもあふれています。特にアート、モード、グルメに関しては、もともとフランスが世界の本場ということもあり、今もなお市販の雑誌などではパリが話題の中心。多くの日本人にとって、パリはあこがれの街でありつづけています。

しかし、実際にパリに暮らしてみると、世界に知られたパリの情報は、かなり一部に限られたものであることがわかります。とりわけアートに関しては、フランスが「芸術大国」であり、パリが「芸術の都」であるという「イメージ」が先行ぎみ。この国が、昔は芸術大国でなかったこと、あるいは現代においてはその地位が揺らぎつつあることなど直視されない現実が多く存在することを否定できません。はたまた、ニュースにはならない小さな展覧会やギャラリーの作品、市民の暮らしの中に息づくアートなど、「芸術の都」というのとは違うレベルでの芸術の楽しみ方があることも知る人は少ないでしょう。

《Paris Art Scope》では、こうした宝石の集まりのような、時にはいびつな石も混じったような多様なパリのアートシーンをお伝えしようと始まりました。

美術館や展覧会の情報から、さりげなく街におかれたアート、その中で生きるアーティストの姿、芸術にまつわるフランスの動き・・・。できるだけ網羅的に、「パリのアートシーンの今」をお届けしたいと思います。

2020年7月 杉浦岳史