ANDO建築とアートの競演。パリに現代アートの新名所がオープン。

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<知っておきたいポイント>

  • 2021年5月22日 パリ1区に現代アートの新美術館がオープン
  • 名称は「Bourse de Commerce – Pinault Collection ブルス・ドゥ・コメルス – ピノー・コレクション」
  • フランスの実業家で世界的美術コレクターのフランソワ・ピノーが創設
  • 18世紀に建設、1889年に改築された建物を、今回は建築家・安藤忠雄が改修設計を担当。新旧の対比が美しい「建築の中の建築」というべき構造
  • 380人を超える芸術家の約10,000点の美術作品がコレクションされる

 

2020年の11月以来、コロナ禍のため半年以上も閉鎖されてきたフランスの美術館。ワクチン接種が進み、順調に感染者数が減少するなか、ようやくその扉がひらかれた。

それにあわせて5月22日、パリの真ん中、ルーブル美術館からも目と鼻の先に、新しい美術館が誕生した。その名は「Bourse de Commerce – Pinault Collection (ブルス・ドゥ・コメルス – ピノー・コレクション」。「Bourse de Commerce」とは日本語で「商品取引所」のこと。ここはかつて穀物などを扱う、まさしく商品取引所があった場所だ。

 

この建物は、18世紀に穀物の取引所として建設されたものを1889年に改築して、ほぼ今の姿になった。1889年といえば、あのエッフェル塔がお目見えしたパリ万国博覧会のあった年。ここも万博パビリオンの一部として使われたという。

フランスの「歴史的建造物」に指定されるも老朽化の進んでいたこの建物を美術館にするため、改修の設計を任されたのが日本の建築家・安藤忠雄だった。

実はこの美術館、ルーブルやオルセーなどのような国立、あるいはパリ市の美術館などではない。「ピノー・コレクション」の名の通り、フランスの実業家で世界的なアートコレクターとして知られるフランソワ・ピノーが、そのコレクションを公開するために開いた私立の美術館だ。

 

 

※この美術館に関する詳しい情報は、筆者が担当した下記のオンラインマガジン「SUMAU」の記事でぜひご覧ください。

記事はこちらから

世界的コレクターと安藤忠雄の夢が実現。 パリに新しい現代美術館がオープン。

 

(text / photo Takeshi Sugiura)