【2020年版】パリのバンクシー作品はどこにある?行き方も紹介!

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英国ブリストル出身で、ロンドンを拠点に活動している「覆面美術家」Banksy バンクシー。

その正体は謎に包まれていて、本名、詳しいプロフィール、制作拠点などは一切明かされていない。作品は英国を中心に、世界中のストリートの壁面に突如あらわれては話題になり、消されては話題になり、ということを繰り返してきた。

彼は単に壁に絵を描くグラフィティアーティストではない。その作品に込めたメッセージは、社会の課題、暴力やテロ、人種差別、行き過ぎた資本主義への風刺など、私たちの暮らしにひそむ矛盾や問題のあらゆるジャンルにおよぶ。そのユーモアに満ち、かつ鋭い切り口であざやかにアートへと昇華する表現力は、言葉の壁を越えて世界にファンを生みだしてきた。

世界中の大都市、もちろんパリにもバンクシーは彼の得意な「ステンシル」によるスプレーアートを残してきた。

2018年頃には10点ほどが確認されてきたが、ここ数年の人気で盗まれたり、あるいは壁が塗りかえられたりして、ずいぶんと現存作品が減ってしまった。

消えてしまったものもふくめ、パリのバンクシーを見ていくことにしよう。

パリのバンクシー1 5区のミニーマウス(現存)

パリ5区といえば、セーヌ川のほとり。ソルボンヌ大学の本拠地があるいわゆる「カルチエ・ラタン(ラテン地区)」に近い一角に、小さなバンクシー作品がある。

(筆者撮影)

 

ミニーマウスのようなリボンをつけたバンクシーらしいねずみ。耳のように書かれた輪は数字の「8」が倒れているものだと、その上の文字「MAI 1968(1968年5月)」の「8」が抜けていることでもわかる。

1968年5月といえば、このエリアを中心に学生をはじめ多くの労働者たちが立ちあがったゼネラル・ストライキ「5月危機(5月革命)」があった時だ。

日本でも学生運動が社会を大きく変えた時代だったが、パリはその発端のひとつになったとされる。2018年にこの革命の50周年を迎えたこともあって、今でもパリでは社会を動かそうとする人々のあいだで「1968年5月」が語り草になっている。

アクセス・行き方は?

<住所> 25 rue Maître Albert, 75005 Paris

<最寄駅> メトロ10号線 Maubert – Mutualité / 4号線 Saint – Michel

パリのバンクシー2 19区のナポレオン(ほぼ現存)

もうひとつは19区で、パリ北東部にあるかなり下町のエリア。パリに住む駐在系日本人のあいだでは「19区」「20区」は行かないほうが良いと噂されるほどだが、昼間ふつうに歩くぶんにはそれほど怖いことはない。ただ夜は女性だけで歩かないほうが無難という雰囲気ではある。

そこにあるのはナポレオン=ボナパルトのお抱え画家として知られたジャック=ルイ・ダヴィッドの『サン=ベルナール峠を越えるボナパルト』を模したバンクシー作品。

ナポレオンではなく、ヴェールをかぶった騎乗の人は、バンクシー本人か、はたまた批判的な勢力からは「皇帝」とも揶揄されるマクロン現大統領か・・・などさまざまな憶測を呼ぶ。

(筆者撮影)

もともとはこの中央の壁の色が全体を覆っていたが、最近になってこんな色に塗られてしまった。なんとかかろうじて絵は残されているが、今後どうなるのか不安が残る。

アクセス・行き方は?

<住所> 41 Avenue de Flandre, 75019 Paris
<アクセス> メトロ2号線・5号線 Stalingrad / 7号線 Riquet

 

パリのバンクシー3  18区のねずみ(消滅)

サクレ・クール寺院で有名な「モンマルトル」地区。その裏手のシックなエリアに最近まであったバンクシー作品は、2020年7月現在消滅してしまっている。

<住所> 34 rue du Mont-Cenis, 75018 Paris

 

パリのバンクシー4 バタクランの少女(現場から盗難)

2015年のパリ連続テロ事件で大きな犠牲者を出してしまった劇場「バタクラン」を覚えているだろうか。その劇場の裏手の出入口に描かれたバンクシーの作品は、現場から扉の素材ごと盗まれるという前代未聞の出来事があったが、最近になってイタリアで見つかってフランスに返還された。

 

パリのバンクシー5  ソルボンヌの紳士と犬(消滅)

最初に紹介したのと同じパリの5区。まさに「カルチェ・ラタン」の街中にあったバンクシーはやはり最近になって消滅してしまった。

2020年夏の状態がこちら。跡形もありませんでした。

(筆者撮影)

 

パリのバンクシー6 セーヌの橋げたのねずみ(消滅)

セーヌ川にかかる鉄道橋の脚に描かれたねずみのカップル。エッフェル塔を望む写真が多く残されていたが、これも最近になって消滅してしまった。

(筆者撮影)

 

(筆者撮影)溝の部分に、かすかに尻尾の跡が残っている。

 

パリのバンクシー7 ポンピドゥーセンターのねずみ(消滅)

近現代美術館として世界的に知られる「ポンピドゥーセンター」。その裏手の案内板の裏側に描かれていたバンクシーのねずみは、2019年9月にその案内板のパネルごと盗難されてしまった。

その盗んだ瞬間とされる映像をフランスのニュースチャンネルBFM-TVが入手していた。これによれば、犯人はわざわざ昇降車を使ってまるで案内板をメンテナンスする業者のように作品を盗んだことになる。

 

ストリートに描かれる時点でグラフィティは「違法」であり、そこに著作権を主張するバンクシーでもないのだが、ここ最近の人気急上昇により、壁面からなんとか作品を盗もうとするというのは尋常ならぬものがある。

いつかまたパリに新作が登場するときが来るのか?これからもバンクシーの動向から目が離せない。